笹部さんよりいただきました。
合気の基本(サマリー)
安定した下半身、強い体幹、しなやかな腕。
その体の伸びやかな使い方。
1.
起こしの合気
合気は常に攻め手である。合気は指先から掛けていく。手首の落としと指先の攻めでかけていく。
手首支点では攻め手の要素が無い。
そのため、親指支点またはゴルフボールを活用した練習。
力で立位の状態から座位の者を起こすのは不可能。
鍵束の理の合気だけがそれを起こす。
2.
合気のシンメトリー性
同じ手使いが体前で転換すると四方投げ、体後で転換すると脇詰めになる。
3.
合気下げ
起こしの合気の下使い。
4.
一寸引きの合気
起こしの合気の横使い。
5.
ウィトルウィウス的人体図と崩し
限界線までの一寸引きの状態を作り、終末点で手首を極める。
この一寸引きの理は柔術の様々な場面で活かされている。
6.
手首
手首を極めると、肘が極まり、肩が極まる。その手首は四方向に曲がり、それぞれの方向に応じた合気が開発され、それによって技の表現相が異なる。
7.
差しの合気
先端力と発するタイミング。
合気は先端指向性でかける。そのための朝顔の手。生の力や力みはそれを邪魔する。
手の内で滑るのはエネルギーの解放で、早すぎる証左。
8.
呼び込みの合気
「影を取らす」の口伝。
距離感と速度の一致。合気は間合いと呼吸。
9.
強い形と腕の湾曲
下半身の安定に加えて、体幹から腕のはなれる程度が強い形を決定する。
手を掴みにくる相手の心、体を利用して呼び込んでくれば、それだけで相手を崩せる。
不用意に手を差し出すことは、その瞬間から体の崩れを意味する。
10.
体幹の攻め
丹田からの一歩の動きで合気は掛かる。
体幹の中心から相手を攻める。中心がどこを向いているかを常に問うこと。
11.
差しの合気と呼び込みの合気の関係性
両者ともに同一線上の動き。
合気のシンメトリー性。
「影を取らす」の口伝。その影に前後あり。
五分の取られ、六分の呼び込み、四分の刺し。
五分で合気を掛けるのが一番難しい。
12.
合気の縮小性
合気は間合いと呼吸。
それを合わせて行けば、その一分の距離を極限まで縮めることができる。ほとんど皮膚感覚的な手使い。
13.
起こしの合気と差しの合気との組合せ
ゴルフボールの活用。
14.
起こしの合気と呼び込みの合気との組合せ
手首の落としで相手を呼び込み、起こしの合気を掛ける。
15.
合成の威力
合気は単一のスキルの取得から始まるが、単一のスキルだけで掛けるのが一番難しい。
二つ、三つの合気の理合を組合せられるようになると、簡単に掛けられるようになる。
角度の合成、回転の合成、落差の合成。
16.
米ヌカ三升
合気は生の力の強さを必要としない。
「米ヌカ三升持てれば合気はできる」の意味をよく考えること。
「安定した下半身、強い体幹、しなやかな腕使い」を実現すること。
17.
運動思想の転換
パワーとスピードの運動思想からの転換なくして、合気は理解できない。
そこに折り合いをつけていった者から使えるようになって行く。